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仏像の見方(知っておきたいシリーズ)


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教育 ブック
開発者 NOWPRODUCTION, CO.,LTD
無料

仏像の見方が分かれば仏教も分かる!?

美しい仏像は美術品ではなく、信仰の対象として造られた。
人びとの思いが込められた仏像がどのように造られ、どういう救いをもたらすのか。
仏像に凝縮された仏教の世界観が一問一答でわかる一冊。

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※本文抜粋※

◆第二章 仏像とは何か
【さまざまな姿に変身する観音菩薩】

観音菩薩は救いを求める人の年齢、職業、地位、境遇などに適合した姿で、その人の前に現れるという。
つまり、貧しいひとの前に立派な身なりで現れると、
貧しい人は願い事があってもそれを切り出せないで立ち去ってしまうかもしれない。

また、富裕な人の前にいかにも貧しげな姿で現れると、
富裕な人は物乞いが来たと思って相談するのを止めてしまうかもしれない。
要するに33の変化身とは、救いを求める人がいちばん相談しやすい姿、
気軽に話を聞いてもらえる姿ということである。

ただし、33という数字は実数ではない。インドでは3の倍数を無限大と考える。
33も無限大ということだ。現在、地球上に人類は64億人以上。
仏教徒だけでもおそらく数億人に上るだろう。
そして、それらの人々はそれぞれ違った人格を持ち、違った境遇に生きている。
観音菩薩はその一人一人にふさわしい姿に変身して人々を救うのである。


◆第三章 仏像の顔や身体から読み解く仏教の教え
【手足に水掻きがある】

第五相には「手足縵網相」というものがある。
これは如来の手足の指の間に水鳥のような水掻きが具わっているというもので、
指を広げたときにあらわれ、閉じると見えないといわれている。

これは如来が衆生を救うときに、救い漏らしがないようにするためだといわれている。
万人救済という仏教の理想を具体化したものであり、
そこには人々の救済への切なる願いが込められているということができる。
これも如来像だけに見られる特徴だ。

【仏の身体は完璧だ!】

人間は両手を広げた長さと身長がだいたい同じである。
しかし、ふつうの人間の場合、まったく同じではない。
ところが如来の場合はこれがまったく同じで、この特徴を「身広長等相」(第十一相)という。
これは悟りを開いた釈迦が完璧な心を具えているのと同様、完璧な肉体を具えているということを表しているのである。

第十六相の「細薄皮相」は皮膚に潤いがあって塵や埃がつかないというもの。
インドでは乾季になると膚が乾燥し、ときに角質化する。
これを防ぐために香油などを塗るが、この時季は砂埃もひどいため油を塗った膚に埃がついて難儀をする。
「細薄皮相」はインド人にとって憧れである。

仏の睫毛は牛の睫毛のように整っているという「牛眼睫相(第三十相)」というものがある。
牛の睫毛などめったに見る機会はないかもしれないが、確かに牛の睫毛は密で綺麗に整っている。
ただし、実際には睫毛の生えた仏像はない。


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※本書は角川学芸出版・平成19年1月25日発行「知っておきたい仏像の見方」のiPhone/iPadアプリ版です。